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Short and Art

子供のころ、父親にドライブに連れて行ってもらうのが好きだった。

片道30分くらいかけて大きなターミナル駅まで行き、デパートや駅ビルのネオンを見ながら駅前のロータリーをひとまわりして、近くのバーガーショップでバニラシェイクを注文する。ハンバーガーやポテトではなく、いつもシェイクだった。そのシェイクを飲みながら窓からの景色を眺めて、帰ってくる。途中、父親にすさまじい勢いで吸われ、一瞬で半分くらいになる。いつも大騒ぎしていた。

そのシェイクが楽しみでドライブに行くのだと思っていたのだけど、今思い返すと、それ以上にワクワクすることがあった。窓からの景色を眺めることの方が好きだったのかもしれない。
道路を走れば、周りに常に家があって、いけどもいけども店やビルがある。建物には明かりがつき、窓の向こうには、ひとつひとつに自分たちのような家族の生活がある。まるでよその星に降り立った宇宙飛行士のような気分で、ああ確かに人がいる、良かった、と心の底から思った。ひとつ見るよりもふたつ、ふたつよりも何十もの明かりを見ると、その安心は強くなった。そして、家の明かりを見つけるたびに、探査すべき星がひとつ見つかったような気になるのだった。子供のころは時間が無限だったし、世界が広がっていくことがそのまま幸せだった。

今でも、小さい家を作り並べるたびに、心のすみにある好奇心や安心感が満たされていくのだと思う。

 

宮内 健太郎
1978年 東京生まれ
高校卒業後、古道具屋で働き、その後独立。
現在は木や鉄で独自の作品をつくっている。
ShortandArt店主

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3-2-10,Yanaka,Taito,Tokyo
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